
コラム
抜けた歯をそのままにしてはいけません!
- 「インプラントは怖そう…」
- 「インプラントは高額だし、今はまだ…」
- 「歯医者に行くのも面倒だから、このままで良いか…」
- 「目立たない場所だから、抜けたままでも問題ないか…」
このように考えて、抜歯後そのまま放置している方はいらっしゃいませんか?確かに、抜けたままでも痛みや腫れが生じるわけではありません。例えば奥歯が1本抜けた程度なら、食事や会話で不便を感じることも少なく、見た目も気にならないかもしれません。
しかし、これは大きな誤りです。すぐに問題が顕在化することはなくても、放置すると徐々に悪影響が広がっていきます。歯の喪失は、単にその歯がなくなるだけでは済まないことをぜひご理解ください。
歯が抜けたままだと起こること
・空いたスペースを埋めようとして、喪失した歯の部位に隣接する歯が傾斜してくる
・噛み合う歯がなくなり、対合歯が伸びてくる
⇒ これらの要因により、咬合バランスが崩れていきます。
咬合の乱れは歯垢の蓄積を招きやすく、虫歯・歯周病のリスクが高まります。また、咬合の不調和から、顎の痛み・開口時の音・開口制限といった顎関節症の症状が現れるケースも少なくありません。
歯が他の臓器と違うところ
歯は人体の臓器の中でも非常に特異な存在です。その特殊性は主に2つの観点から説明できます。
(1)喪失しやすい
歯は他の臓器と比較して失いやすい臓器です。年齢を重ねるほど、自分の歯が全て残っている人は減少していきます。50~80代を対象とした調査では、男性の約50%、女性の約45%が「自分の歯と補綴物が混在している」という結果が出ています。
(2)自然回復しない
歯は人体で唯一再生しない臓器です。風邪は治り、骨折も修復されますが、歯は違います。虫歯で侵食された部分や治療で削った歯は元に戻りません。歯周病や外傷で失った歯は、どれだけ待っても再生しません。
「噛める」「笑える」幸せを――
本コラムで皆様にお伝えしたかったことは…
第一に、現在ある歯を失わないことの重要性です。歯科医がどれほど努力しても、失った歯を再び生やすことはできません。インプラントも義歯もブリッジも、人工材料での代替に過ぎないのです。どんなに高品質な材料を用いても天然歯には及びません。だからこそ、現在ある歯を大切にしていただきたいと思います。
そしてもう一点。すでに歯を失っている場合は、放置せずに対処することの重要性です。前述の通り、時間経過とともに悪影響は拡大していきます。できるだけ早く、歯の補綴治療をご検討いただきたいと思います。
義歯やブリッジでも歯の機能回復は可能ですが、周囲の健全な歯に負担をかけないという点でも、インプラントは現時点で考えられる最も天然歯に近い状態を実現できる治療法といえます。「インプラントを装着していることさえ忘れる」という患者様も少なくありません。
しっかり咀嚼できる。思い切り笑顔になれる。毎日活力に満ちて過ごせる。そんな当たり前の幸せを取り戻したいなら、インプラントが最有力な選択肢となるはずです。